そして坊ちゃんがシエルに成り代わる際、田中を騙すために「タナカ」呼びからシエルが呼んでいた「じいや」に変えたのではないでしょうか。
坊ちゃんは「犯人に直接捕えられ、売り渡されたはず」です。
直接犯人と接触したであろう坊ちゃんが「犯人を全く見ていない」事には矛盾が生じます。
例え犯人が覆面などをかぶって正体を隠していたとしても、身長や性別、複数犯か単独犯かなどの大まかなあたり程度はつくはずです。
それにも関わらず、坊ちゃんが犯人について語る際には必ずそれらのイメージが不自然にすっぽりと抜けています。
後ろから不意打ちで殴られ、犯人の姿を見ないまま気絶させられたのでしょうか?
だとしたら、何故そのシーンをあえて飛ばすのでしょうか?
「坊ちゃんがどうやって犯人に捕まり、売り飛ばされたか」という、犯人と接触した重要な事件の証拠ともいえるシーンが全く黒執事では記述されていないのです。
そして、この違和感はタナカにも同じことが言えます。
タナカは犯人と対峙し、背中を刺されたにもかかわらず坊ちゃんに犯人を見ていないと嘘をついています
また、先ほどの回想シーンがもし坊ちゃんの記憶であったとしたら、
坊ちゃんは犯人と対峙するタナカを直接見ていることになるので、ここでタナカに「犯人を見たかどうか」を訪ねること自体が不自然になります。
タナカは見ているのに「見ていない」と、まるで犯人をかばうかのような発言をします。
※もしその犯人が目の前にいる坊ちゃんだとしたら、「見ていない」と言わないと消させるとおもったのかもしれません。←根拠無しの考察
また、坊ちゃんの復讐に関する考え方についても違和感が残ります。
坊ちゃんは作中で
「僕を辱め、殺そうとした奴がまた僕を殺しに来ることを待っている」
と言っています。
いかにもそれらしく言っていますが、
これは言い返してみれば
「復讐を焦ってしようとは思わない」と言っているようなものです。
復讐するために悪魔まで呼び出したのに…。随分と悠長に感じます。
自分の記憶を辿って犯人が誰なのか考察して見たり、セバスチャンに「復讐」について自らアクションをとらせる事を命じません。
むしろセバスチャンを復讐よりも悪の貴族としての日常の仕事に大きく用います。
そしてセバスチャンに「犯人のあたりをつけろ」程度の命令さえしません。
シエルの日常においては「女王の番犬」としてのみ事件解決に積極的で有り、ファントムハイヴ家襲撃の犯人に対する準備は皆無であり、全く空気です。
「復讐が果たされる時」とは。
それはすなわち坊ちゃんが死ぬであり、セバスチャンに魂を食べられる時です。
もし「復讐」が「悪魔」を従えるための坊ちゃんの「口実」だったとしたら……どうでしょうか。
具体的に考えていきます。
2・シエルが悪魔と契約したのは本当に「復讐」のため?
親を殺されシエルを殺された坊ちゃんの目の前に願いを叶えるセバスチャンは現れました。しかし坊ちゃんは復讐を望むだけであり、
「家族を返して」とも、「シエルを返して」とも一言も言いません
これには違和感を感じます。
また更に、坊ちゃんは緑の魔女編の際
セバスチャンからの
「あなたは何故、大きな犠牲を払い、その魂を賭けてまで、悪魔と契約したのですか?」
という「契約の理由」の問いについてこう答えています。
「僕は誰かの為に命をかけられるほど高潔ではない。
僕はどうしようもなく利己的で、独善的な人間だ。
だから 僕は僕自身への汚辱を晴らす為お前の手を取った。
誰のためでもない。
僕のために!!!!!!」
ヴィンセント&レイチェル
「私たちの無念を晴らすためでしょう?」
「違う!!!!!」
復讐のためでは無い。
坊ちゃんはそう言っています。
3.悪魔召喚儀式にシエルと坊ちゃんがいた理由
ファントムハイヴ家の襲撃の真犯人は坊ちゃんで(共犯もいた可能性あり)、悪魔召喚の儀式に自分が買われるところまですでに坊ちゃん自身が計画していたと仮定します。
坊ちゃんは、「僕のために」という本当の目的を「復讐」という理由でカモフラージュした状態でセバスチャンと契約に結びつけるため、その口実づくりとして悪魔召喚の生贄として自ら紛れ込んだのではないでしょうか。
(「僕の力となれ」だと、すぐに達成され魂を食べられてしまうため。)
元々真犯人がいなかったとしたら、「復讐」はシエルが死ぬまで永遠に達成されません。
その結果シエルは自分が死ぬまで悪魔を従えることができます。
セバスチャンがこの事実を知っていて契約したかどうかは定かではありません。
しかし、セバスチャンは
「たとえヒトの子が一生を終えるほどの時間が掛かったとして私には瞬きの間の事。少しの間の暇つぶしになって、腹が満たされればそれでいい」
と、坊ちゃんの一生を看取ることになったとしてもという事をたとえ話として言っているので、知らない可能性が高いと思います。
このことから、
坊ちゃんはセバスチャンをも騙している可能性があると感じました。
真シエルもまた捕まっている間、
坊ちゃんに対し
「大丈夫、お前は僕が守ってあげる」
と言っています。これが嘘からくる言葉であるようには思えません。
この事からシエルは
「坊ちゃんが真犯人であることと、坊ちゃんが意図的に自分を道連れに悪魔召喚の儀式に捕まるようしむけた事を当時は知らなかった」と考えられます。
※このセリフについては、のちに改めて説明します。
では何故坊ちゃんはシエルを殺さず、共に悪魔召喚の儀式の場まで連れてきたのでしょうか。
「召喚した悪魔に、自分が契約する代わりにシエルの魂を食べさせることを事前に計画していたため」
…だとしたら………。(ゴクリ
儀式の際混沌の中で
「いたい、きたない、かえりたい。だして、ここから、こいつらを、こいつらをこいつらを」
というセリフがありますが、
これは坊ちゃんではなくシエルのセリフだとしたら説明がつきます。
また、右が坊ちゃんで左がシエル(仮)ですが、何故坊ちゃんは傷が少なく、シエルだけこんなに傷だらけなのでしょうか。
「坊ちゃんが犯人である為、坊ちゃんはあまり抵抗せず、シエルだけが必死に坊ちゃんの共犯である犯人に抵抗したから」とも考えられます
※(坊ちゃんを守る為シエルがかばったという可能性もあります。)
セバスチャンは儀式の中で坊ちゃんを見つける時こう言います。
「違う…違う…違う…コレだ」
「あなたは私を呼び出してしまった。渡り賃はしかといただきましたから。」
セバスは大勢の人物の中から坊ちゃんを見つけ出します。これは、この儀式で悪魔を召喚したのはホストは坊ちゃんであり、坊ちゃんが、シエルが刺され死ぬ前に意図的に渡り賃としてシエルの魂を差し出したから、と考えると自然なように感じます。
4.シエルの言う「あんな選択」とは
シエル「お前があんな選択をしたせいで、たくさんの人が犠牲になったんだよ。」
この「あんな選択」という言葉について考えていきます。一見「悪魔との契約」の意味に取れますが、これは別の意味を持っている可能性があります。
理由としてはこの時現れる死者の中に、
ヴィンセントがいることが挙げられます。(右側)
ここでシエルが言う「あんな選択」が「セバスチャンとの契約」だとしたら、サーカス団員とシエルが現れることは納得がいきますがヴィンセントが現れる要因にはつながりません。
(ヴィンセントが死んだのはセバスチャンと契約する前
ここでサーカス団員とシエルに加え、ヴィンセントも現れる理由としては、
「あんな選択」が
「ファントムハイヴ家を皆殺しにし家督を奪い、悪魔と契約し力を得る選択をしたから」
…と考えると辻褄があってしまいます(ガタガタ
(考察しておきながらもう辛くて嫌になってきましたいやだいやだ
さてさてここでようやく本題ですが、坊ちゃんは何故「シエル」を名乗ったのでしょうか。
もし坊ちゃんが真犯人であった場合。
家族も兄も死に坊ちゃんが家督を継ぐと坊ちゃんには彼らを殺害する動機が出来、疑われてしまう可能性があります。
周りから自分が犯人であると完璧に疑われるようが無いように、元々そんなことをしなくても家を継ぐ予定であった「シエル」に成り代わったのでは無いでしょうか。
こう考えると、坊ちゃんが「シエル」を名乗ったことに理由付けが出来ます。
…確かに、「貪欲で、強欲で、嘘つき」
…セバスチャンや坊ちゃん本人が言う坊ちゃんの姿に、嫌という程マッチしてしまいます。
もし本当にこうだとしたら、
葬儀屋はもしかしたら「真犯人」である坊ちゃんと闘うためにシエルを呼び起こしたのかもしれませんね。
ヴィンセントが死んだことをあんなにも嘆く葬儀屋が、その事実を知っていたとして何故すぐに坊ちゃんを殺さなかった理由…。
としセドリック=葬儀屋説が正しければ
その血縁からくる複雑な心境から、それでも坊ちゃんを守りたくなるような矛盾した心境にさらされているのかもしれません。
??注意ここから
赤の線の部分まで
Gファンタジー7月号のネタバレを含みます??
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又今回の7月号では、
あの極限状態でも「お前は僕が守ってあげる」とまで言っていたシエルが、ソーマを殺し、坊ちゃんの前に敵として現れました。
ここまでシエルにさせるものはなんなのでしょうか??
もし両親を殺し、自分を殺した犯人が坊ちゃんだとしたら……そしてその事実を蘇った際に葬儀屋から聞いていたとしたら…
なんとなく辻褄があってしまうような気がしてなりません。
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葬儀屋の話に戻りますが、
葬儀屋は言葉では坊ちゃんを思うそぶりを見せますが、体を張って守ったことは一度もありません。捕まえようとしたり死をほのめかし棺に入れようとしたりすることが殆どなので、非常に攻撃的と言えます。
また、敵対する以前の情報屋時代にも
切り裂きジャック編の際で初めてマダムが店を訪れた際グレルのことを死神だと認識していたにも関わらずその事実を坊ちゃんに伝えなかったり、
坊ちゃんが「なにかわかったら情報をくれ」
と毎回言うにも関わらず、後日葬儀屋から情報が来ることは一度もないなど、かなり非協力的な様子が伺えます。
(グレルが死神と伝えなかったことは、それを言うと葬儀屋が死神であることがバレてしまうから言わなかったという理由もあると思います。しかし「人間の仕業でない可能性」を全くほのめかさなかったことは意図的なものを感じます。彼は頭がいいので「医療に長けているものの犯行」「時間帯や場所の不自然さ」「目の前にいる死神と医者のコンビ」を見れば真犯人に気がついていたと思うんだけどなぁ…)
↓※葬儀屋はあの時すでにグレルの正体に気づいていました
恐らく葬儀屋とタナカはこの場合真犯人を知っていると思います。
そしてシエルも、坊ちゃんが真犯人だと知らずに死にましたが、蘇り葬儀屋からこの事をすでに聞いているのではないでしょうか。
そしてそうなるとシエルの口からきっとリジーにもおそらく…ぁぁぁ。
5.襲撃の動機は?
そしてこれまた妄想の域ですが、
もし本当に坊ちゃんが犯人だとしたら。
凄惨な事件を起こした動機はなんだったのか考えてみました。
坊ちゃんは「先代はゲームに負けた」
と言っています。
私はここで「連続殺人事件編」を思い出しました。
連続殺人事件編が女王から坊ちゃんへの番犬としての適正テストであったように、
女王は、番犬の才能がある坊ちゃんに「伯爵家を継げる立場」をちらつかせ現番犬であった「ヴィンセント」と未来の番犬である「シエル」に対する適性テストを行ったのかもしれません。
女王は才能があれば子供でも差別はしません。サリヴァンを重宝していることからそれがわかります。また彼女は「今後影響を及ぼす人がどうやら事前にわかってしまうようだ」と、連続殺人事件編で言われています。
もし「ファントムハイヴ家襲撃事件」が
「坊ちゃん」を駒として使った、「女王」から「ヴィンセントとシエル」に対する「適性テスト」だったとしたら。
もしかしたら、彼女は伯爵家を継げない立場である坊ちゃんの番犬としての才能に気づいたのかもしれません。
葬儀屋は女王のことについて坊ちゃんに対しこう言っています。
「女王かあ、気に入らないなぁ。自分は高みの見物ばかりで、辛いことや汚いことは全部伯爵に押し付ける。」
「その指輪はまるで首輪のようだね。業という鎖で君を女王に繋いでいる。
小生は、いつか君がその首輪で首を吊ってしまわないように祈っているよ。
…そんなのはつまらないからね」
もし葬儀屋がこれら全てを知っていてこのセリフを言っていたとしたら。
…これはなかなかな呪いの言葉です。
「小生が伯爵(シエル)を蘇らせる前に耐えきれずに自殺なんかするなよ?
…そんなのつまらないからね。」
…だとしたら。
ひええええ
あああ、文章がぐちゃぐちゃ&穴だらけ考察で本当にすみません。
あとでまた編集し直します。
まとめますと、
・坊ちゃんがファントムハイヴ家襲撃の真犯人説
・犯人に捕らえられたはずの坊ちゃんが、犯人の顔を見ていないのはおかしい
・シエルを名乗った理由は自分が「弟」であることを隠し、家を乗っ取るためにファントムハイヴ家を滅ぼしたという疑いをかけられないようにする為
・セバスチャンさえこの事実を知らず、坊ちゃんに踊らされている可能性がある
となります。
私は坊ちゃんが好きなので、自分で考察しておいてなんですが
この考察が外れている事を切に祈ります。
餅月