再演 (^ ^)
初演の時ダブルキャストだったアスカム=石丸幹二さんが降板された以外は、全員続投です。
初演時ロビン役=加藤和樹さんは、この作品が帝劇初出演でした。
それが
今や「1789」で帝劇のセンターに立つスター
苦労を微塵も出さない昇り竜の様な姿がカッコいいし、
マチネ公演を終わらせてからCDイベントを全力で行われる体力とファンへの愛と、
遅刻してもそれでもブギウギに参加される番組愛と、
料理上手なところと、
、、、どうやら今回は、ラーメン二郎のチャーシューの再現に成功されたようで、共演者に振る舞われたようです (^ ^)
共演者に限りなく愛される姿は、とても可愛らしく
(城田優さんのTwitterより)
城田優さんに山崎育三郎さんと和樹さんのお三方
今をときめくミュージカル界の「華」がこんな素敵な写真をインスタントにあげるなんて、ほんとお茶目さん達 (^ ^)
スペイン皇太子フェリペ役の古川雄大さん(ユンさん)
(公式より)
初演の地元公演の時は「あ、名前を知ってる人」ぐらいの認識でした。
たまたまチケットが取れた日がユンさんの大千秋楽の日で、そのカテコの時、
「これから(世界初上演だったので)フェリペは、イケてるイケメンが演じます」って言い切って会場から喝采拍手を浴びた人だった。
先に千秋楽を迎えたユンさんが、Wキャストの平方元基さんに残したメッセージも素敵です。
(ケーキの下に引いてある紙に書いてあったそうですが、
このなんとも雑?というか 天然?というか、予測不能←インタビューでご自身がおっしゃっている と言うか(笑))
この人も来年は「モーツァルト」で帝劇センター
すごいすごい(^ ^)
プロモーション用映像
和樹さんのTwitterより両ロビン
、、、この並び両方が観劇できるなんてうれしい
囲み取材とインタビュー
初演でファンになった平野綾さん
、、、声と演技に磨きをかけて再びのベス役!
もう誰も彼女のことを「声優あがり」と揶揄しないだろうな?
彼女もそういう意味では「闘って勝った」尊敬する女性です。
ベス=平野綾さんと ロビン=加藤和樹さん
?歴女の予習(^ ^)
ベス(後のエリザベス一世でバージンクイーンの異名を持つ)が3歳満たずの時、
母のアン・ブーリン(イギリス国王であるヘンリー八世の2番目の奥さん)は国王の暗殺未遂と不義密通の罪(捏造ではないか?とも言われてます)で逮捕、処刑!
彼女も王位継承者の身分を剥奪されて庶子になる。
その後
王位継承権を復活させたが、
メアリー一世(父はベスと同じヘンリー八世、母は最初の奥さんだった キャサリンで、この人はスペインの王家から嫁いだ)に疎まれて、さらにはメアリー一世はカトリック、ベスはプロテスタントっという宗教的軋轢もあり、 ロンドン塔に幽閉(メアリー36歳で戴冠した次の年、この時ベスは21歳)される。
、、、これって最悪「怖い絵」展覧会で見た「レディ・ジェーン、グレイ(イギリス初の女王で在任期間はたったの9日)の処刑」の二の舞になっていた可能性は大ありで (´・_・`)
この幽閉は2ヶ月半強続き、
その後はウッドストックで監視生活
メアリーは在位5年、41歳で死去
その後
ベスが時期女王として26歳で王位に就く
もし、
もう少しメアリーが長生きをしていたら?
、、、怖いよ:(;゙゚'ω゚'):
歴史が変わっていたかもしれない!
、、、それでも
♪我が父は王♪っと歌うベスのプライドの場所というか、
生まれが高貴な人の考えというか、
そう思っていないと生きられない時代背景とか、
カトリックとプロテスタントってそんなに違うんだ?とか
アレコレ雑学で知っておくとさらにこの舞台は楽しめるし、面白い(^ ^)
っと思えるのが、再演の良さです。
そんな中、
ずっと独身でいれたのは、その心にロビンがいたからで、
むしろ
バージンじゃないことを隠すために、バージンのふりをして一生独身を貫いた!
っという乙女解釈は、この際許してもらいましょ(^ ^)
、、、実際の歴史は少し違うっと知りつつね。
メアリーもさ、、、
夫の「イケてるイケメン(^ ^)」のフェリペは11才年下で、当時のスペイン「太陽の沈まぬ国」の皇子で、いわゆるカトリック宗主国から夫をあてがわれて、
結婚した次の年に、スペインで行われる彼の戴冠式に国に戻ってしまい、次に会ったのは一年半後!
、、、って織姫と彦星よりヒドイじゃん f^_^;
そのたった3ヶ月後にスペインに帰ってしまいそれっきり会うことはなかった。
、、、なんとも言い難い:(;゙゚'ω゚'):
不幸な人生だよね、、、
本人は想像妊娠するくらい切羽詰まるし、
なんだかんだ すっごく共感できる(せざるを得ない)女性に描かれていました。
そして、
太陽の沈まぬ国スペインの無敵艦隊は、
エリザベス一世の代の時、イギリス海軍とオランダ連合国海軍に敗北する
(by 河惣益巳作 サラディナーサ)
色々と繋がりました (^ ^)
【 本編 】
マチソワを楽しみます
上手サイドの2列目 (^ ^)
オペラグラスなしではっきり顔が観れるけど、
盆のシーンら奥が見えづらいよー、っと贅沢を言い過ぎ!
冒頭シーンで
ヘンリー8世と二人の妻(キャサリンとアン・ブーリン)とそれぞれの子供達(メアリーとベス)の事、
父からベスに渡された新約聖書のシーンが加わり、
初演に比べてずっと事の次第がわかりやすかったです。
和樹さんのロビン(吟遊詩人っと言えばピッタリです)が軽やかで、
、、、並行してCD発売イベントやって、アニメのイベントやって、「歌い足りない」って一人カラオケ行って、
加えてこの声を維持してる!ってどんな喉?!
ベスに対する態度がどんどん変わっている様子が手に取るように分かって、
ベスに対して隔たりのない態度は、彼がなにも属さない「自由」な人だからできたこと。
1幕最期のロンドン塔幽閉のシーン
ほぼ目の前の和樹さんに心配そうな、やるせない表情(なにせこの疑いがかかる原因を作ったパブ行きを誘ったのは自分だからなおさら)に、こちらまで心ををギュ!っとされる
、、、そうそう
パブから屋敷へ帰るシーンは、客席下りで最前列の前を通って舞台上手へ上る演出
というわけで、
ロビンとベスが目の前を通っていく
いつも思うことですが、和樹さんの声には感情がのる!
「君は自由ではない!」と歌う、からかう感じの声
「好き」っと歌っている声
でも今回、
なにより圧巻だったのは2幕に入ってからの演技
文字通り「演技」されている!
2列目から見たからわかる、細かい顔の表情。
ベスに 「城を出て(王位継承権を放棄して)自分と一緒に行こう」と言うシーン
ドアを入ってきた瞬間からわかった。
「ロナン、初めからあなたはベスがうん!って言わないって知ってるよね、
でも
彼女をなんとか自由にしてあげたかったんだよね」な表情。
、、、眉がほんの少しハの字になっている。
顔の表情と相反する歌の内容が突き刺さる!
そのうちロビンも泣き始め、、、
でもメアリーの死去が伝えられ、
ベスが女王になるっと決めた後は、
先ほどの表情と打って変わって
「胸を張って行け!それこそ俺の愛した女だ」って顔に変わる!
、、、なんかなんかもう泣くしかなくて。
戴冠式の場面
♪晴れやかな日ー♪ の 「日」でいったん f (大きな音)にして、
すぐにdim(だんだん小さく)になる合唱に、
、、、あれ?ここはそのままバーンと華やかに歌いきろうよー
っと思ったが、ちゃんと説明がついた。
ピンスポが三人に当たっている
一つはアスカム
一つはベス
最期の一本はロビン
、、、つまりこの物語を「愛」の話に作り変えちゃったっという演出。
ベス平野さんは少し押さえた感じの声?
っと思ったけど
ロングトーンの伸び方が好きタイプのものでした。
まっーーすぐまーーっすぐどこまでも揺らぐこともなく伸びるキラキラした声。
こーゆー声って強い性格を表す時には有効だから、
モーツァルトのコンスタンツェが今からめちゃ楽しみ(^ ^)
、、、アスカム役=山口祐一郎さんのうねうねする声の対比で、余計にまっすぐに聞こえるんだろうな
この人も表情がクルクル変わるの(^ ^)
やはり戴冠式のシーン
ロビンがリモーテルの花(ベスが髪に飾っている花)をベスに差し出した時の、
切なくも満足げというかありがとうというかいろいろな感情が折り重なった笑み!
、、、さらに心をギュ!っとされました。
今回、
メアリーの悲しみやベスに対する苛立ちがよくわかる演出でした。
だから
嫌いになれない人になりました。
メアリは自分の死が近いとわかって、ベスに頼む。
「自分が死んでもカトリックを守って欲しい」 っと。
それに対してベスは
「自分の心のままに(つまり自分はプロテスタントだから、イギリスをプロテスタントの国にします)動く」
それを聞いたメアリーのなんとも言えない表情!
怒ることもなく、罵声を浴びせるわけでもなく、
手で出口を示す!
その瞬間
音にならない言葉が聞こえるような気がした
「いきなさい」って
行きなさい?! 生きなさい?!
そして自分は父の肖像画 by ホルバイン画(怖い絵の本にもあった肖像画)にある白く縁取りされた帽子を力なく抱きしめる、、、
舞台Magic ? 近い距離Magic の合作は、最強の力で迫ってきました
ホントは手が痛くなるくらい
いや
痛いって実感できなくなるくらい叩きかった!!!
でも今日は
ロビン と 愉快な仲間 加藤潤一さん 寺元健一郎さん 石川新太さん とフェリペ様=枚方元基さん
の お見送り会付き
このメンバー (^ ^)
(加藤和樹さんのTwitterより)
大ホールの1900席の少なくとも半分以上の人を流すから時間的に大変なのはわかります。
でも
1回のカテコで 舞台にスタッフさんが来て お見送り会の説明を始めた時は
、、、この宙ぶらりんな気持ちをどこへ持っていけばいいの?感にあふれました。
2階のエレベーター横で台の上に立ったみなさんにコメツキバッタのようにペコペコして外へ。
「今回は絶対に近いよ!、 前回のお見送り会はキャストさんとの距離が、今日の4倍くらいあったよ」
なんて話を聞きながらも、
泣きながら和樹さんと平野さんの良さを力説していた私!
、、、聞いてくださった方、そのせつは暑苦しい思いをされてしまいました
?ソワレ
2階席センター
座った瞬間「遠!」っとつぶやいてしまいました。
、、、当たり前ですが、先ほどが近すぎました。
でも2階席だから楽しめること
「盆の上にもびっしり12星座や占星術の模様が書き込まれてある? 」
音楽が始まりアスカムが歌い始める時、
盆の上には色とりどりの小さな星がライトで映し出されて、それはそれは綺麗
フェリペ=古川雄大さん
マチネのフェリペ=平方元基さんとは何もかもが違う造り方でした。
なにより違って見えたのは、メアリーとフェリペの結婚式のシーン。
平方フェリペはメアリーから表情が見えない一歩下がった瞬間に露骨に嫌な顔をする、
それも何度も何度も。
でも
ユンさんフェリペは全く表情を変えない!
無表情の演技っというか
、、、例えば、
すっごく賢い人がいて周りを小馬鹿にしている時に、一見にこやかに見せるけど、何を考えているかわからない表情?っと言ったらファンとして褒めすぎかな、、、
パーンとまっすぐ飛んでくる声は、お二人とも甲乙つけがたく、
後は「どちらの表現がお好みですか?」
教えてもらって是非観たかったカテコのユンさん(^ ^)
彼の隣にガーディナー大司教=石川禅さん が立たれるのですが、この人が隣に並んだ瞬間!
途端に笑顔になり、笑い出すユンさん ^o^
、、、一体何が笑いのツボを押しているんだか?
だれか聞いてきて欲しいです!
ユンさんの次の演目は
大晦日からのミュージカル「黒執事」地方公演付き
教えていただいた偶然の事に、
愛知公演1月28日のソワレ公演で
「ユンさんセバスチャン100回目公演!」
、、、ちょうど観劇日だからラッキーです(^ ^)
スペイン大使ルナール役=吉野圭吾さん
もう何も言うことはありません!
「1789」のオルレアン公といい、煉獄に笑うの「丹波百地」といい、今回のルナールといい、
超絶個性的な役がとってもお似合いな人
、、、いや、吉野さんが演じられると個性的に見えるんです
この人が登場するだけで、雰囲気がスーと変わるのがわかる。
イヤミな役を最大限にイヤミにさせたらホントに上手。
でも
「花より男子」のつくしの父親役はあったかい感じの優しいお父さん役があまりにピッタリに合っていて
、、、簡単に言って 上手い人
〜曲について
なぜか
ベスが歌う曲の多くは、長調のメロディに乗せて悲しみ、怒りを表すことが多い。
、、、だからメロディと日本語が喧嘩するように私には聴こえます。
アン・ブーリン=和音美桜さん の曲は歌詞も物哀しく、短調でわかりやすいし、
家庭教師 キャット・アシュリー 役 =涼風真世さん の曲もわかりやすい。
もちろん、
明るく健康的なロビンの歌は、わかりやすく長調が多い。
何度も再演されてCDがあり、今度DVDが発売されて再演が重ねて多くの人がこの作品に触れる頃には
「これはそ〜ゆ〜表現方法であえて作曲されてるの!」って
言われるようになるんだろうな〜